窓のこと Windows

建築の外と中をつなぐ窓。光と風をとり入れ、むこう側の様子を伝える窓。

さまざまな情景が生まれる窓のまわりに場所をつくること

窓とその周辺のデザインについて…

窓ごしの景色

窓の外にきれいな木があったり、遠くの山や小川、坂道をゆく人などが見えると、ふとしたときに窓から外を眺めることがあります。

窓から外へ延長する視線があることで、心理的にひろがりができます。

住宅街の家。上部の窓は一階から見上げると主に空だけがみえるが、 上階にあがると坂なりの風景や道行く人を眺めることができる。

窓からの情報

意識的に外を眺めなくても、そこに窓があるだけで、太陽の傾きや季節の移ろいを室内に伝えます。

朝の明るい光、午後の穏やかな光、夕日の色や雨の日のくすんだ光など、さまざまな光が窓を通して室内に色を添えます。

 

音の情報も窓を通じて届きます。風や雨の音、鳥の声や往来の話し声、しずかに雪が降るときなど、窓の形により外の状況を感じたり、遮断したりします。

窓辺でうまれる動き

気持ちよい窓辺があると、そこで食事をしたり休憩したり、昼寝や読書をしたり、ときには近所の人とあいさつをしたり…いろいろな日常での動きが窓辺で生まれます。

日常の映る窓

家に帰ってきて、窓からもれる温かい光にほっとするときがあります。

窓は外の景色を伝えるだけでなく、家の中の様子を映し出す顔でもあります。

いろいろな窓のかたち

外へ誘う窓

季節のよい時期は、窓を開け放して新鮮な空気を感じるのは気持ちがよいものです。

内から外へ誘う窓のかたちをつくることで、外部と緩やかにつながることができます。

切り取る窓

外に開く窓に対して、外の景色を切り取る窓もあります。

空間に大きな面の壁があると静かで落ち着いた印象になり、家具も自由に置きやすいので、ときに窓を小さくすることがあります。

外部の環境により、美しい景色がみえる方向を切り取るように窓をとります。そのような窓からは絞られた情報だけが入り、他の窓とは一味違った印象になります。

風をとり入れる窓

窓の重要な役割のひとつに、新鮮な外の空気を取り入れ換気をするということがあります。

お風呂や脱衣室などでは、湯上りに冷たい空気に触れると気持ちよく、湿気を逃がすためにも効果的です。

家の中をそよ風が通り抜けるのは心地よく、ふとしたときに季節を感じます。

風をとり入れる窓では、風を内部に誘うかたちにしたり、対面に風の抜け道となる窓を設けたりします。

出窓

出窓のまわりでは、日々いろいろなことが起こります。

カウンターになり、椅子になり、窓でもあるため、暮らしに合わせて窓辺をしつらえる愉しみがあります。

あるときは腰掛け、あるときは日用品を仕舞ったり飾ってみたりし、鉢植えをおいてみたり、外部との連絡窓口になったり…

出窓はその奥行きにより、いろいろな情景が生まれる窓です。

窓の意匠

大きい窓、横長の窓、格子付の窓、木枠の窓、スチール製の窓、ステンドグラスを嵌め込んだ窓…

窓の意匠はその用途から形が決まるものもあれば、光を美しく映すためにデザインされたものもあり、多種多様のおもしろさがあります。

ここでは各地でみつけた、印象的な窓を紹介します。

光の降り注ぐ教会の窓
石張りの外壁と白い框のガラスドア、黒色の鉄柵
幾何学模様の鉄格子
クリーム色の内装を明るく照らすガラス戸
同じ窓の繰り返しによるリズミカルな外観

光をさえぎるもの

夏場の直射日光、まぶしい朝日や夕日など、太陽の光が強すぎるときがあります。

窓のデザインと合わせて、室内に入る光の強さを調整できる遮蔽物を考えておくことも必要です。

外からの視線が気になるときや、寝るときに落ち着きと安心感がほしいときなど、遮蔽物は気分に応じて開け閉め調整ができるものが便利です。

薄いスクリーンのように直射日光は遮りながら穏やかな光は入るもの、障子のように断熱効果のあるもの、厚手のカーテンなどの光を完全にシャットアウトするもの、ブラインドのように角度によって光量を調整するものなど、用途に応じて種類を選びます。

太陽の光は短い間に色が変わってゆきますが、このような遮蔽物で光を調整することで、明るくなったりぼんやりしたり、空間の印象もくるくると変わります。

ハニカムブラインド
紙障子
バーチカルブラインド
アルミブラインド