一人暮らしのための小さな住宅。
15坪の家の中に、一人暮らしの生活に必要なものを盛り込み、不要なものは削ぎ落として全体のかたちをつくる。
一階は主となる生活空間で、リビングと寝室、洗面室、浴室がある。
一階は全体で約8坪の広さであるが、どの部屋もつながったワンルームのような親密な距離感覚であり、日常生活では立ち回りやすく便利である。
リビングやキッチンは庭とつながり、明るい自然の光が入る。寝室はベッドとクローゼットがあるだけの小さな部屋であるが、窓からは庭の立木がみえ、午後の光が入る。
吹抜にある回り階段を上がると、二階は広間になっている。この広間はいろいろな用途で自由に使える場所であり、15坪の小さな家であるからこそ必要な空間だと考えた。
吹抜けと繋がったリビングの延長として使っても良いし、泊まり客を招くときにはゲストルームとして活用できる。将来住人が増えたときの予備の場所としても、部屋を増やすことができる。
敷地の形は北西に斜辺をもつ変形三角形をしており、北と西側を小さな庭とした。
庭に面した出窓の前にはソファがあり、ここも庭の木のみえる場所である。またそこに座るとガラス窓を通して北側のアプローチの木々や、その先の北庭へと視線が抜ける。
階段上には大きな北窓があり、空が見え穏やかな北の光がリビングに入る。